事業承継について、ポイントとなることは、次の通りです。
1.後継者の選択
事業承継をスタートするには、まず後継者を決めることが必要です。
子供等の親族に承継させるのか、会社を熟知する従業員に承継させるのか、第三者へのM&Aを検討するのかについて、意思決定を行わなければなりません。
2.経営権対策
事業を承継した後継者が安定的に経営していくためには、後継者に自社株や事業用資産を集中的に承継させることが重要です。
特に自社株は、会社が意思決定を行うこととなる株式総会の議決権に影響を与えますので、後継者以外の子供が存在する場合の遺留分等も考慮の上、いかに後継者に集中させるのかが、事業継承を考える際の大きなポイントといえます。
3.株価・相続税
自社株の評価額が高ければ、後継者は多額の相続税を負担することになる可能性があります。
将来、相続が発生した場合に、自社株や事業用資産にかかる相続税の負担をいかにして軽減させるのかがポイントとなります。
4.納税資金
中小企業のオーナーの財産の大半を自社株や事業用資産が占めるというのが一般的であり、これらの財産は換金性がありませんので、いかにして納税資金を確保するのかがポイントとなります。
もしオーナーが金融資産を有していたとしても、自社株や事業用資産を後継者に集中させることを考えると、後継者以外の子供にも配慮しなければなりませんので、多額の資産が必要となる場合もあります。
5.争族対策
子供のうちの一人を後継者として、自社株等の財産を集中的に承継させる場合には、後継者以外の子供の遺留分を侵害することのないよう配慮の上、相続発生後に親族間の財産争いが起こらないように留意しなければなりません。